
\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のように、多項式の積(カッコがたくさん連なっている形)が多く含まれている問題の因数分解はどのようにすればよいのてしょうか?
目次
\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)の因数分解
このような問題は、中学時代に、「展開して同類項をまとめてから因数分解する」と習いました
しかし、高校で出題される\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のような問題は、中学校で学習したように「展開して同類項をまとめてから因数分解」をしようとしてもほぼ不可能な数式となります
では\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のような問題を因数分解するにはどうすればよいのか、解き方のポイントを説明していきます

かけ算する順序や組み合わせを工夫して展開しよう
\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)を特に何も工夫せずに展開して同類項をまとめると、以下のようになります
\begin{align}&(x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\\&=(x^2−4x+3)(x^2−12x+35)+15\\&=x^4−16x^3+86x^2−176x+120\end{align}
この式を手計算で因数分解することはほぼ不可能なため、勢いに任せて「とりあえず展開」をしてしまうと答えにたどり着けません
この問題、「まず初めに展開をする」という手順は間違っていません
ただし、展開をする前に、以下のように組み合わせを工夫します
\begin{align}&(x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\\&=(x−1)(x−7)✕(x−3)(x−5)+15\end{align}
組み合わせを工夫した式を展開すると以下のようになります\begin{align}&(x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\\&=(x−1)(x−7)✕(x−3)(x−5)+15\\&=(\color{blue}{x^2−8x}+7)✕(\color{blue}{x^2−8x}+15)+15\end{align}
上記の式の青字の部分を確認してください
展開する組み合わせを工夫すると、式の中に「共通する部分」が出現しました
このように展開する組み合わせを変えることにより、展開後の式に「共通する部分」を作り出すことができます
組み合わせの工夫する方法はこちら
共通する部分を文字に置き換えて因数分解しよう
ここまでくれば続きのやり方に気づく人も多いでしょう
展開する組み合わせを工夫し、展開後に共通する部分を作り出したあとは、その共通する部分を文字に置き換えて因数分解をしていきます
今回は、\(x^2−8x=A\)として、因数分解をしていきます
\begin{align}&(x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\\&=(x−1)(x−7)✕(x−3)(x−5)+15\\&=(\color{blue}{x^2−8x}+7)✕(\color{blue}{x^2−8x}+15)+15\end{align}
\begin{align}&x^2−8x=Aとすると\\&(A+7)(A+15)+15\\&=A^2+22A+120\\&=(A+10)(A+12)\\&=(x^2−8x+10)(x^2−8x+12)\\&=(x^2−8x+10)(x−2)(x−6)\\&=(x−2)(x−6)(x^2−8x+10)\end{align}
※\((x^2−8x+10)(x−2)(x−6)\)のところで終えても正解となります
注意!\((x^2−8x+10)(x^2−8x+12)\)で終わると間違いとなります
因数分解はできるところまで行わなければ正解となりません
\((x^2−8x+10)(x^2−8x+12)\)のままでは、後半の\((x^2−8x+12)\)の部分がまだ因数分解できるのに放置されている状態となるため、誤答となります
必ず\((x−2)(x−6)(x^2−8x+10)\)まで因数分解を行いましょう
