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  3. 組み分の問題・8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」はどう違うの?
二人組に分ける

ただ同じ人数ずつ複数グループに分ける問題と、同じ人数ずつ複数グループにわけ、さらにグループ名がついている問題、これらは「組み分け」でよく出題される問題ですね

この2つは全然違う分け方なのですが、学習初心者はどう違うのか理解しにくいかもしれません

今回は、8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」を例題として、2つの違いを説明していきます

「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の違い

初心者にはわかりづらいかもしれませんが、「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の2つは全く別の分け方になります

「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」では、同じ2人がチームAのときと、チームBのときでは別物と考える必要があります
したがって、最初に選ばれるか、二組目に選ばれるか、それとも最終組で選ばれるかで大違いになります

チームメンバーが同じでもAかBかが違うと別物になるので、何通りあるかを考える時は全て数える必要があります

それに対して、最初に選ばれても最後に選ばれても全く状況が変わらないのが「2人ずつ4組にわける」です
この場合は同じ組分けになったものを何回も数えるのはおかしいので、それぞれ一度だけ数えることとなります

A,B,C,Dの違いってそんなに大事?

ここまでの説明を読んでも、「2人がチームAでもチームBでもどっちでも大差ないやん」と思う人…数学の問題集に出てくる文章が、「A,B,C,D」と無機質な表現なのがわかりにくい原因です

もし問題文がA,B,C,Dに分けるのではなく、「最上階スイートルーム」「宴会場のすぐ隣の騒がしい部屋」「特に問題のない普通の部屋」「狭く窓もない地下室」ならば、そして、分けられる人たちの中にあなたがいれば、違いがはっきりわかるでしょう

あなたと友達の2人が「狭く窓もない地下室」に選ばれ、「最上階スイートルームじゃないけど、同じ二人組だから違いは全くないよね」と言われたら…同じ二人組でもスイートルームと地下室では全然違います

したがって、A,B,C,Dの違いを考えることはとても大事です

「8人を2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」問題の計算方法

「8人を2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」ときは、まず8人からAの2人を選び、次に残りの6人からBの2人を選び、さらに残りの4人からCの2人を選ぶという手順で計算します
Dは最後まで残った2人となるので、選ぶ必要はありません

よって、計算式は次のようになります

A…8人から2人選ぶので\(_8C_2\)
B…6人から2人選ぶので\(_6C_2\)
C…4人から2人選ぶので\(_4C_2\)
D…残された2人、自動的に決まるので計算の必要なし

8人は「Aの2人、かつBの2人、かつCの2人、かつDの2人」となるのでそれぞれを掛け算でつなぎます

\begin{align}_8C_2✕_6C_2✕_8C_2\\=&\frac{8・7}{2・1}✕\frac{6・5}{2・1}✕\frac{4・3}{2・1}\\=&2520\end{align}

よって答えは\(2520通り\)

「8人を2人ずつ4組にわける」問題の計算方法

「2人ずつ4組にわける」場合、同じ2人が最初に選ばれても最後に選ばれても全く状況が変わらないため、同じ組分けになったものは全てひとつと考えます

具体例を出すと
(佐藤・田中)(井上・山田)(坂本・櫻井)(上田・渡辺)
(井上・山田)(上田・渡辺)(坂本・櫻井)(佐藤・田中)

上記2つは同じとして考えるので、2通りではなく1通りとします

ここで、(佐藤・田中)を①、(井上・山田)を②、(坂本・櫻井)を③、(上田・渡辺)を④とすると、①②③④と①②④③と①③②④と①③④②と………は全て同じで1通りです

①,②,③,④の並べ方は\(4!\)通りあるため、8人から2人、残りの6人から2人…と選んでいく式を作り、最後に\(4!\)で割ると答えが求められます

\begin{align}\frac{_8C_2✕_6C_2✕_8C_2}{4!}\\=&\frac{2520}{4・3・2・1}\\=&\frac{2520}{24}\\=&105\end{align}

よって答えは\(105\)通り

成績アップのコツ、友達に説明できるくらいまで知識を深めよう

\(4!\)で割る理由

「ある2人ペア4組」に序列をつけると、そのつけ方は\(4!\)=24通り存在します

また「ペアを変えた4組」に序列をつけると、そのつけ方も24通り存在します

つまり、8人を序列のない「2人ペア4組」に分けると、その分け方は105通りとなり、105通りのひとつひとつに序列をつけると\(105✕24\)通りの組み合わせが存在することになります

ゆえに、以下の式が成り立ちます

\begin{align}「8人を2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」=「8人を2人ずつ4組にわける105通り」✕24\end{align}

この式を等式変形すると

\begin{align}「8人を2人ずつ4組にわける」=「8人を2人ずつA,B,C,Dの4組にわける2520通り」÷24\end{align}

したがって、「8人を2人ずつ4組にわける」ときの式は\(4!\)で割ります

成績アップのコツ、解き始める前に解説を読んでも良い、解説書は先生と同じと考えよう