共有点とは、2つの図形の交点のことを指します
そして2つの図形が座標平面上に書かれている場合、その図形の共有点を、座標を使って表すことができます
目次
共有点の座標とは
共有点とは2つの図形の交点です
当たり前のことを何度も繰り返すなと思うかもしれませんが、この当たり前のことを真の意味で理解しなければ数学がどんどん苦手になります
交点とは、一方の図形上のどこかに書かれた点の座標\((x,y)\)と、もう一方の図形上のどこかに書かれた点の座標\((x,y)\)が偶然同じ位置にあると考えてください
また、座標平面上の図形は方程式で表すことができることも思い出しておきましょう
さらに、座標は方程式の解であることも中学校で学習しました
つまり、一方の図形の方程式の解ともう一方の図形の方程式の解が等しくなる数字、それが共有点の座標です
共有点の座標を求める方法
共有点の座標の求め方は、実は中学2年生で学習済みです
中学2年生で1次関数を学習した時、「グラフ上の直線の交点は、それぞれの式を連立方程式にして解く」と教えられています
2つの式の解(\(x\)と\(y\)の値)が等しくなるため、連立方程式にして解くことで答えが求められます
グラフが直線から放物線に変わっても、共有点の座標を求めるには「それぞれのグラフの式を連立方程式にして解く」と覚えましょう
放物線と\(x\)軸の共有点を求めたい場合は\(x\)軸の方程式を\(y=0\)とする
「次の放物線と\(x\)軸の共有点の座標を求めなさい」というような問題が出題された場合の計算方法を説明していきます
【例題】
次の2次関数\(y=-(x+1)^2+4\)と\(x\)軸の共有点の座標を求めよ
共有点の座標を求める方法のとおり、2次関数\(y=-(x+1)^2+4\)と\(x\)軸の式を連立方程式にして解くだけです
このとき、\(x\)軸の方程式を\(y=0\)としましょう
\(x\)軸の方程式を\(y=0\)と表す理由がわからない人は中学2年生の学習範囲まで戻って復習してください
2つの式を連立方程式で表すと以下のようになります
\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l}y=-(x+1)^2+4\\y=0\end{array}\right.\end{eqnarray}
2乗がついてる連立方程式の解き方なんて習ってない!と思った人、加減法で解こうとせずに代入法で解いてください
\(y=-(x+1)^2+4\)の\(y\)に\(y=0\)を代入すると2次方程式となります
あとは丁寧に2次方程式を計算しましょう
では実際に計算していきます
\[\begin{eqnarray}-(x+1)^2+4&=0\\-(x^2+2x+1)+4&=0\\-x^-2x-1+4&=0\\-x^2-2x+3&=0\\x^2+2x-3&=0\\(x+3)(x-1)&=0\end{eqnarray}\]ゆえに\(x=-3,1\)
\(x\)軸上ならば\(y\)座標は\(0\)なので、よって求める座標は
\((-3,0)\)と\((1,0)\)
放物線と直線の共有点を求めたい場合も同じ手順で解く
放物線と直線の共有点の座標も同じ手順で求めることができます
以下の例題で解き方を確認してみましょう
【例題】次の放物線\(y=-x^2+1\)と直線\(y=5-4x\)の共有点の座標を求めよ
共有点の座標は方程式を連立にして代入法を用いて求めましょう
\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l}y=-x^2+1\\y=5-4x\end{array}\right.\end{eqnarray}
\[\begin{eqnarray}-x^2+1=&5-4x\\x^2-1+5-4x=&0\\x^-4x+4=&0\\(x-2)^2=&0\end{eqnarray}\]ゆえに\(x=2\)
\(x=2\)を\(y=5-4x\)に代入して計算すると\(y=-3\)
※代入は\(y=-x^2+1\)にしても良い
よって共有点の座標は\((2,-3)\)
放物線と放物線の共有点も同じ手順「連立方程式→代入法で計算」で求められる
とにかく共有点の座標を求めるときは「それぞれのグラフの式を連立方程式にして解く」方法で必ず求められます
2つのグラフがどちらも放物線だったとしても解き方は同じ、手順は変わりません
【例題】次の2つの放物線\(y=x^2-3x+2\),\(y=-x^2+x+2\)の共有点の座標を求めよ
\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l}y=x^2-3x+2\\y=-x^2+x+2\end{array}\right.\end{eqnarray}
\[\begin{eqnarray}x^2-3x+2=&-x^2+x+2\\x^2-3x+2+x^2-x-2=&0\\2x^-4x=&0\\2x(x-2)=&0\end{eqnarray}\]ゆえに\(x=0,2\)
\(x=0,2\)を\(y=x^2-3x+2\)に代入して
\(x=0\)のとき\(y=2\)
\(x=2)のとき(y=0)
よって共有点の座標は\((0,2)\),\((2,0)\)
2次関数以外でも共有点の座標は同じ手順で求められる
共有点の座標を求める問題は、2次関数だけでなく、図形と方程式や微分などでも出題されます
しかし、どんな単元でも、「2つの図形の方程式を連立方程式にして解く」という手順は変わりません
共有点という言葉の意味を理解してしまえば、共有点を求める問題は必ず解けるようになります