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数と式

\[ab(a+b)+bc(b+c)+ca(c+a)+3abc\]の因数分解と\[a^2(b+c)+b^2(c+a)+c^2(a+b)+3abc\]の因数分解

\(ab(a+b)+bc(b+c)+ca(c+a)+3abc\)の因数分解と\(a^2(b+c)+b^2(c+a)+c^2(a+b)+3abc\)の因数分解を説明します どちらの問題も、因数分解を学習し始めた初心者にとっては難問のように感じるでしょう しかし、展開して文字に着目して同類項をまとめなおすという基本だけで簡単に因数分解ができます \[ab(a+b)+bc(b+c)+ca(c+a)+3abc\]の因数分解・\(a\)に着目して同類項をまとめる まずは全てを展開し、\(a\)に着目して同類項をまとめなおします どの文字に着目しても必ず答えは求められますが、\(a\)に着目しておけば模範解答の解説と同じ形になる可能性が高く、計算ミスなどがあった場合に、間違ったところが見つけやすくなります \begin{align}&ab(a+b)+bc(b+c)+ca(...
場合の数と確率

正四面体の4面を赤,青,黄,緑の4色で塗り分ける方法は何通りあるか

立方体の6面を6色で塗り分ける問題などは簡単な問題集でもよく出題されていますが、正四面体の4面を塗り分ける問題は少し珍しいかもしれません 今回はそんな少し珍しい問題、「正四面体の4面を赤,青,黄,緑の4色で塗り分ける方法は何通りあるか」を解説していきます 展開図を回転させたら同じになるものは1通りと考える 正四面体を塗り分ける問題も立方体を塗り分ける問題と同じで回転させたら同じ色使いになるものは1通りと考えます したがって、下記の図の配色はすべて同じと考えられ、1通りとされます ゆえに、展開図の真ん中の三角形の色を決めると、周りの3つの三角形の配色は円順列で求められます 答えを導く式は以下になります \begin{align}&(3-1)!\\=&2✕1\\=&2\\&答え…2通り\end{align} 「真ん中の色は4色から選べるので...
数と式

よく出題される少し複雑な因数分解・その③\(x^3-5x^2-4x+20\)

問題集やテスト、模試、入試…と因数分解は様々な場面で出題されます 今回は非常によく出題される、少し複雑な因数分解の問題を3問、説明していきます 説明に使用する例題は以下の3問です よく出題される少し複雑な因数分解・3問①\((a+b)(b+c)(c+a)+abc\)②\(a^2(b−c)+b^2(c−a)+c^2(a−b)\)③\(x^3-5x^2-4x+20\) 今回は上記3つの問題のうち、③を解説します よく出題される少し複雑な因数分解\begin{align}③x^3-5x^2-4x+20\end{align} 第3問\begin{align}x^3-5x^2-4x+20\end{align} この問題は、部分ごとに共通因数で因数分解し、あとは\(A\)に置き換えて因数分解の続きを行います 複雑な手順はないので、ただ、慣れるだけですぐに解けるようになります 今回...
数と式

よく出題される少し複雑な因数分解・その②\[a^2(b−c)+b^2(c−a)+c^2(a-b)\]

問題集やテスト、模試、入試…と因数分解は様々な場面で出題されます 今回は非常によく出題される、少し複雑な因数分解の問題を3問、説明していきます 説明に使用する例題は以下の3問です よく出題される少し複雑な因数分解・3問①\((a+b)(b+c)(c+a)+abc\)②\(a^2(b−c)+b^2(c−a)+c^2(a−b)\)③\(x^3-5x^2-4x+20\) 今回は上記3つの問題のうち、②を解説します よく出題される少し複雑な因数分解\begin{align}②a^2(b−c)+b^(c−a)+c^2(a-b)\end{align} 第2問\begin{align}a^2(b−c)+b^2(c−a)+c^2(a−b)\end{align} この問題は、\(a\)も\(b\)も\(c\)も全て次数が同じなので、\(a\)、\(b\)、\(c\)のうちどれかひとつの...
数と式

よく出題される少し複雑な因数分解・その①\begin{align}(a+b)(b+c)(c+a)+abc\end{align}

問題集やテスト、模試、入試…と因数分解は様々な場面で出題されます 今回は非常によく出題される、少し複雑な因数分解の問題を3問、説明していきます 説明に使用する例題は以下の3問です よく出題される少し複雑な因数分解・3問①\((a+b)(b+c)(c+a)+abc\)②\(a^2(b−c)+b^2(c−a)+c^2(a−b)\)③\(x^3-5x^2-4x+20\) 今回は上記3つの問題のうち、①を解説します よく出題される少し複雑な因数分解\begin{align}①(a+b)(b+c)(c+a)+abc\end{align} まず第1問\begin{align}(a+b)(b+c)(c+a)+abc\end{align} この問題は、まず初めに前半3つのカッコを展開し、\(a、b、c \)のうちどれか好きな文字に着目して同類項をまとめるところから始めます 文章で読ん...
数と式

\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のような多項式の積が多く含まれている問題を因数分解する方法

\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のように、多項式の積(カッコがたくさん連なっている形)が多く含まれている問題の因数分解はどのようにすればよいのてしょうか? \((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)の因数分解 このような問題は、中学時代に、「展開して同類項をまとめてから因数分解する」と習いました しかし、高校で出題される\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のような問題は、中学校で学習したように「展開して同類項をまとめてから因数分解」をしようとしてもほぼ不可能な数式となります では\((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)のような問題を因数分解するにはどうすればよいのか、解き方のポイントを説明していきます かけ算する順序や組み合わせを工夫して展開しよう \((x−1)(x−3)(x−5)(x−7)+15\)...
式と証明

恒等式の定数を求めるとき、「比較係数法」と「数値代入法」のどちらを使うべき?

「比較係数法」か「数値代入法」か 恒等式の定数の値を求める方法は2つあります ひとつは、両辺の同じ次数の項の係数を比較して求める方法(比較係数法)、もうひとつは、適当な数値を代入して求める方法(数値代入法)です では、「比較係数法」で解くのか「数値代入法」で解くのか、の判断はどうやってするのでしょうか? 実は、恒等式の定数を求める問題は、一部の例外を除き、原則としてどちらの方法を使っても必ず答えが求められます 実際、問題集の解答解説には、「別解」として「比較係数法」と「数値代入法」の両方を記載しているものも存在します したがって、どちらを使うか見分ける必要はありません どちらの方法を使うかは、自分の好みで決めてかまいません 「比較係数法」を使うほうが少しだけお勧め 「比較係数法」と「数値代入法」、どちらを使っても必ず答えは求められますが、「比較係数法」を使う解き方の方...
整数の性質

1次不定方程式の整数解をすべて求める問題で模範解答と答えが違う―実は正解は無限にあります―

「1次不定方程式の整数解を全て求めよ」という問題で模範解答と自分の答えが違う、という時がありますね 中には解き方の手順は合っているのに、毎回違う答えになるという人もいるでしょう 今回は、1次不定方程式の解の正解・不正解について説明していきます 1次不定方程式の整数解の表し方は無限にある 実は「1次不定方程式の整数解を全て求めよ」という問題の模範解答は、たくさんある答えの中の1つを代表例として記載しています そのため、問題に書かれている等式が成立する解ならば、模範解答と違う数字であっても正解としてかまいません 例えば、「\(9x+5y=1\)の整数解を全て求めよ」ならば、\(x=5k−1 ,y=−9k+2\)でも\(x=5k+4,y=−9k−7\)でも\(x=5k+9,y=−9k−16\)でも正解となり、もちろんまだまだたくさん正解があります 1次不定方程式の整数解の表...
場合の数と確率

組み分けの問題・8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」はどう違うの?

ただ同じ人数ずつ複数グループに分ける問題と、同じ人数ずつ複数グループにわけ、さらにグループ名がついている問題、これらは「組み分け」でよく出題される問題ですね この2つは全然違う分け方なのですが、学習初心者はどう違うのか理解しにくいかもしれません 今回は、8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」を例題として、2つの違いを説明していきます 「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の違い 初心者にはわかりづらいかもしれませんが、「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の2つは全く別の分け方になります 「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」では、同じ2人がチームAのときと、チームBのときでは別物と考える必要がありますしたがって、最初に選ばれるか、二組目に選ばれるか、それとも最終組で選ばれるか...
整数の性質

最小公倍数と最大公約数の求め方、約数の個数の求め方

中学生や高校1年生のときに学習した最小公倍数と最大公約数の求め方…滅多に使わないので忘れてしまったという人向けの思い出し&確認用です 思い出し&確認用なので、求め方のみ記載し、理由などは全て省略しています 最小公倍数と最大公約数の求め方と約数の個数の求め方、おまけとして最後に約数の和の求め方も書いておきます 最小公倍数の求め方 最小公倍数は、最小公倍数を求めたい数字をそれぞれ素因数分解していくところから始めます 素因数分解をしたあとは、それぞれの素数を因数ごとに比べていき、一番多く含まれているもの(指数が大きい方)を選んでかけ算していきます 言葉で書くととてもわかりにくいので、以下に整数を使って数式を書きながら説明していきます 60と126の最小公倍数を求めてみよう まずはそれぞれの数字を素因数分解するところから始めましょう \begin{align}...