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整数の性質

1次不定方程式の整数解をすべて求める問題で模範解答と答えが違う―実は正解は無限にあります―

「1次不定方程式の整数解を全て求めよ」という問題で模範解答と自分の答えが違う、という時がありますね 中には解き方の手順は合っているのに、毎回違う答えになるという人もいるでしょう 今回は、1次不定方程式の解の正解・不正解について説明していきます 1次不定方程式の整数解の表し方は無限にある 実は「1次不定方程式の整数解を全て求めよ」という問題の模範解答は、たくさんある答えの中の1つを代表例として記載しています そのため、問題に書かれている等式が成立する解ならば、模範解答と違う数字であっても正解としてかまいません 例えば、「\(9x+5y=1\)の整数解を全て求めよ」ならば、\(x=5k−1 ,y=−9k+2\)でも\(x=5k+4,y=−9k−7\)でも\(x=5k+9,y=−9k−16\)でも正解となり、もちろんまだまだたくさん正解があります 1次不定方程式の整数解の表...
場合の数と確率

組み分の問題・8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」はどう違うの?

ただ同じ人数ずつ複数グループに分ける問題と、同じ人数ずつ複数グループにわけ、さらにグループ名がついている問題、これらは「組み分け」でよく出題される問題ですね この2つは全然違う分け方なのですが、学習初心者はどう違うのか理解しにくいかもしれません 今回は、8人を「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」を例題として、2つの違いを説明していきます 「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の違い 初心者にはわかりづらいかもしれませんが、「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」と「2人ずつ4組にわける」の2つは全く別の分け方になります 「2人ずつA,B,C,Dの4組にわける」では、同じ2人がチームAのときと、チームBのときでは別物と考える必要がありますしたがって、最初に選ばれるか、二組目に選ばれるか、それとも最終組で選ばれるか...
整数の性質

最小公倍数と最大公約数の求め方、約数の個数の求め方

中学生や高校1年生のときに学習した最小公倍数と最大公約数の求め方…滅多に使わないので忘れてしまったという人向けの思い出し&確認用です 思い出し&確認用なので、求め方のみ記載し、理由などは全て省略しています 最小公倍数と最大公約数の求め方と約数の個数の求め方、おまけとして最後に約数の和の求め方も書いておきます 最小公倍数の求め方 最小公倍数は、最小公倍数を求めたい数字をそれぞれ素因数分解していくところから始めます 素因数分解をしたあとは、それぞれの素数を因数ごとに比べていき、一番多く含まれているもの(指数が大きい方)を選んでかけ算していきます 言葉で書くととてもわかりにくいので、以下に整数を使って数式を書きながら説明していきます 60と126の最小公倍数を求めてみよう まずはそれぞれの数字を素因数分解するところから始めましょう \begin{align}...
指数関数・対数関数

対数\(log\)の計算\((log_29+log_83)(log_32+log_94)\)の計算方法

一番最初にした方が良いこと 結論から先に言うと、\((log_29+log_83)(log_32+log_94)\)のような問題は、まず底を変換してそろえることから始めると楽に計算ができます 実際には、数学の計算方法として正しいことをしていれば、いつ何をしても正解に辿り着くので、一番最初にすることについては特に決まりがありません これは、分数のかけ算で約分を先にしても最後にしても必ず同じ答えになることと同じ理論です つまり、最初に「乗法公式を使って展開」しても「底を変換して」も同じ答えになるし、「最初に底を変換」したあとに「通分して足し算」しても「乗法公式を使って展開」しても答えは同じになります しかし、分数のかけ算は先に約分した方が簡単に計算できるように、この問題もまず底を変換し、そのあとはカッコの中を通分して足し算、最後にかけ算をする方法が最も楽に計算できます 底...
指数関数・対数関数

対数関数の最大・最小で底\(a\)が1より小さい(\(0<a<1)\)ときの答えの求め方―\(y=\log_{\frac{1}{3}}x+\log_{\frac{1}{3}}(6-x)\)の最小値はどうやって求める?―

対数関数の最大・最小を求める問題もテストによく出題されますね ほとんどの問題は底が1より大きく、真数の部分が2次式になっているので、平方完成して頂点を求めれば、最大値または最小値が求められます では底が1より小さいときの最大値・最小値はどうなるのでしょうか? 底が1より小さい場合の最小値・最小値 結論から先に述べると、底が1より小さい場合は、真数が最大のとき\(y\)の値が最小となり、真数が最小のとき\(y\)の値が最大となります 底が1より大きい場合は、真数が最大のとき\(y\)の値が最大、真数が最小のとき\(y\)の値が最小となるため、底が1より小さい場合は、最大値・最小値の値が逆になっていると言えます 底が1より小さい場合、最大・最小が逆になる理由 グラフの対称移動を思い出してください 数Ⅰの2次関数で、\(y=f_{(x)}\)と\(y=-f_{(x)}\)は...
場合の数と確率

先に4勝した方が優勝となる確率―日本シリーズ―

プロ野球の日本シリーズでは先に4勝したチームが優勝です 実は、先に4勝したら優勝とただ4勝したら優勝では、同じ4勝して優勝でも、確率の求め方が変わります その理由は、ただ4勝したら優勝の場合、最終戦で負けても4勝していれば優勝できるのに対し、先に4勝したら優勝の場合は、最終戦は必ず勝ちとなるからです 4勝した方が優勝となる場合の確率 例えば6試合して4勝した方が優勝だった場合、例えば初戦から4連勝したあと、残りの試合を2連敗しても優勝となります このような問題では、6回行う試合のうち、どこでもいいから4回勝てばいいのです したがって、反復試行の確率をそのまま計算すれば答えが求められます では、求め方を以下の例題を使って説明します 問題AチームとBチームが6試合を行い、Aが4勝2敗となる確率を求めよただし、Aが勝つ確率は常に\(\frac{2}{3}\)、Bが勝つ確率は...
場合の数と確率

順列\(P\)と組み合わせ\(C\)の違いと見分け方

数学が得意な人や、すでに何度も繰り返し練習を積み重ねた人にとっては、順列\(P\)と組み合わせ\(C\)は全く別物、コーヒーと緑茶レベルで違うと認識できていると思います しかし、まだ習いたての人たちの中には「順列\(P\)と組み合わせ\(C\)のどちらを使うのか迷う」という人もいるでしょう そこで、順列\(P\)と組み合わせ\(C\)の違いと使い分けを詳しく説明しています 順列\(P\)とは 順列の\(P\)は英語の\(permutation\)(パーミュテーション)の頭文字です そして\(permutation\)(パーミュテーション)の意味は「順列,交換,置換,並べ換え」 このことから順列\(P\)は、1列に並べた物や人物、数字を並べ替え、そのすべてのパターンが何通りあるかを求めたいときに使います 組み合わせ\(C\) 組み合わせの\(C\)は英語の\(combi...
2次関数

2次関数を求める問題の答えの形―\(y=a(x-p)^2+q\)、\(y=ax^2+bx+c\)、\(y=a(x-α)(x-β)\)のどれを選ぶ?―

2次関数を求めよ、という問題を解いて答え合わせをすると、模範解答は自分の答えと違う形で書かれている… ここで、模範解答と違う自分の解答は間違いなのか、それともどんな形で答えても正解として良いのか悩む人も多いでしょう 絶対に模範解答通りの形でなければならないのか、本当はどちらでもいいのか、そもそもなぜ模範解答はいくつかある答えの形式から、「その形」を選んで答えているのか、これらの疑問を解消していきます 模範解答通りの書き方でなくても正解としてもらえる 2次関数の式を求める問題の答えは、次の3通りのうちのどれかで書かれています 結論から言うと、上記3つの形のどれかで答えていれば、その問題は正解となります 「どれでもいいなら、自分の好きな形で答えてもいいよね」と言いたくなる気持ちもわかりますが、模範解答で選ばれてる形には「その問題を解くにあたって、最も答えを求めやすい形だか...
場合の数と確率

6の倍数や9の倍数など…倍数の判定方法

場合の数や確率の問題で、6の倍数や9の倍数を問われたとき、その条件をすぐに思い浮かべられますか? 3の倍数・4の倍数になる条件はこちら 6の倍数になる条件 6の倍数になる条件ある数が2の倍数かつ3の倍数であれば、その整数は6の倍数である 上記の条件に当てはまっていれば、その整数は6の倍数と言い切ることができます もし、ある数が\(774\)ならば\(774\)→一の位が偶数なので2の倍数かつ各位の和が\(18\)(\(7+7+4=18\))で3の倍数よって\(774\)は6の倍数です また、\(878\)ならば\(878\)→一の位が偶数なので2の倍数、しかし、各位の和が\(23\)(\(8+7+8=23\))となり3の倍数ではありませんよって\(878\)は6の倍数ではありません この条件を使うと、1〜7までの数字から異なる3つの数字を取り出し3桁の3の倍数を作ると...
数学公式

接線の方程式の求め方(微分)

接線の方程式 関数\(y=f(x)\)のグラフ上の点\((a,f(a))\)における接線、つまり、接点を通る直線の方程式は \(y−f(a)=f'(a)(x−a)\) と表すことができる 接線の方程式を利用する問題の例 直線の方程式を求める公式\(y−f(a)=m(x−a)\)で関数\(f(x)\)の\(x\)の増加量が限りなく\(0\)に近い直線(接点と考えて良い)の傾き\(m\)、つまり微分係数が接線の方程式の傾きになる よって、\(m=f'(x)\) グラフ上にある点(接点)を通る接線の方程式の求め方 グラフ上にある点(接点)を通る接線の方程式を求める方法 ①まず微分する②微分した式に接点の\(x\)座標を代入して微分係数を求める→接線の方程式の傾き③接線の方程式に接点の座標と②で求めた微分係数を代入して完成 (例)\(y=x^3−4\)のグラフ上の点\((1,...