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  3. 三角関数の合成を使った最大値と最小値の求め方をマスターしよう\[y=sin^2x+2sinxcosx\\+3cos^2x\]\[(0≦x≦π)\]の最大値と最小値を求めなさい
三角関数

半角の公式と2倍角の公式、さらに三角関数の合成を使って\(sin\)だけの式にしていく

解き方の手順
①\(sin^2x\)と\(3cos^2x\)のうちの\(cos^2x\)の部分を半角の公式を使って変形する
②\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形する
③三角関数の合成をして\(sin\)だけの式にする
④最大値と最小値を調べて答える

※この問題は\(θ=2x\)なので、公式の\(θ\)部分は全て\(2x\)となる

\(sin^2x\)と\(3cos^2x\)を半角の公式を使って変形しよう

\(sin^2x\)を\(\displaystyle sin^2\frac{2x}{2}\)とすると、半角の公式より\[\displaystyle sin^2x=\frac{1-cos2x}{2}\]

\(3cos^2x\)を(\displaystyle 3×cos^2\frac{2x}{2})とすると、半角の公式より\[\displaystyle 3×cos^2x=3×\frac{1+cos2x}{2}\]


まとめて書くと

\(\displaystyle y=sin^2x+2sinxcosx+3cos^2x\)

\(\displaystyle y=\frac{1-cos2x}{2}+2sinxcosx+\frac{3(1+cos2x)}{2}\)

\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形する

2倍角の公式より\[2sinxcosx=sin2x\]


まとめて書くと、\[\begin{align}\displaystyle y&=sin^2x+2sinxcosx+3cos^2x\\y&=\frac{1-cos2x}{2}+sin2x+3×\frac{1+cos2x}{2}\end{align}\]

この式を整理すると\[\begin{align}\displaystyle y=\frac{1}{2}−\frac{1}{2}cos2x+sin2x+\frac{3}{2}+\frac{3}{2}cos2x\\y=sin2x+cos2x+2\end{align}\]

成績アップのコツ、正解した問題も解説を読もう

次は\(y=sin2x+cos2x+2\)を合成します

\(y=sin2x+cos2x+2\)を合成する

\(y=sin2x+cos2x+2\)の最後の2は合成する時に使わない、\(sin2x+cos2x\)の部分だけを意識しておけば大丈夫

三角関数の合成より、\[\displaystyle y=sin2x+cos2x+2\\y=1sin2x+1cos2x+2\\y=\sqrt{1^2+1^2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\\y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\]

ただし\(\displaystyle sinα=\frac{1}{\sqrt{1^2+1^2}}→sinα=\frac{1}{\sqrt{2}}\)\(\displaystyle cosα=\frac{1}{\sqrt{1^2+1^2}}→cosα=\frac{1}{\sqrt{2}}\)

※\(\displaystyle sinα=cosα=\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{π}{4}\)

\(y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\)\((0≦x≦π)\)の最大値と最小値を考える前に

\(y=sin^2x+2sinxcosx+3cos^2x\)を\(\displaystyle y=\sqrt{2}sin(2x+\frac{π}{4})+2\)まで変形することで、グラフが書ける状態になりました

グラフが書ける状態ならば最大値と最小値はすぐにわかります

でも最大値と最小値を考えるとき、範囲を\(0≦x≦π\)のままで考えることはほぼ不可能

したがって、\(0≦x≦π\)の全ての辺を2倍し\(\displaystyle \frac{π}{4}\)を加え、\(\displaystyle\frac{π}{4}≦2x+\frac{π}{4}≦\frac{9π}{4}\)として考えていく

\(\displaystyle\frac{π}{4}≦2x+\frac{π}{4}≦\frac{9π}{4}\)を\(sin\)の値にすると、\[\displaystyle sin45°≦sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)≦sin405°\\ゆえに−1≦sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)≦1\]※45°〜405°の間で\(sin\)の値が最小となるのは\(\displaystyle sin270°=\frac{3π}{2}=−1\)、また最大になるのは\(\displaystyle sin90°=\frac{π}{2}=1\)

あとは最大値と最小値を計算するだけ

最小値は\(\displaystyle sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)=−1\)のときで、このときの\(y\)の値は\(\displaystyle y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\)に\(\displaystyle sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)=−1\)を代入して計算すれば求められる

よって、\(\displaystyle y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\\y=\sqrt{2}×(−1)+2\\y=2−\sqrt{2}\)

最大値も同様にして求める

最大値は\(\displaystyle sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)=1\)のときで、このときの\(y\)の値は\(\displaystyle y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\)に\(\displaystyle sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)=1\)を代入して計算すれば求められる

よって、\(\displaystyle y=\sqrt{2}sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)+2\\y=\sqrt{2}×1+2\\y=2+\sqrt{2}\)

成績アップのコツ、友達に説明できるくらいまで知識を深めよう

まだ解答欄に答えは書けないよ

求めた最大値と最小値の値は\(\displaystyle sin\left(2x+\frac{π}{4}\right)\)のときなので、これを\(x\)に戻す必要がある

まずは最小値から

最小値は\(\displaystyle sin\frac{3π}{2}=−1\)より、\[\displaystyle\left(2x+\frac{π}{4}\right)=\frac{3π}{2}→x=\frac{5π}{8}\]

ゆえに、\(\displaystyle x=\frac{5π}{8}のとき最小値y=2−\sqrt{2}\)

次に最大値

最大値は\(\displaystyle sin\frac{π}{2}=1\)より、\[\displaystyle\left(2x+\frac{π}{4}\right)=\frac{π}{2}→x=\frac{π}{8}\]

ゆえに、\(\displaystyle x=\frac{π}{8}のとき最大値y=2+\sqrt{2}\)

答え
\(\displaystyle x=\frac{5π}{8}のとき最小値y=2−\sqrt{2}\)、\(\displaystyle x=\frac{π}{8}のとき最大値y=2+\sqrt{2}\)