三角関数には、ひとつの式の中に\(sin\)と\(cos\)が混在している問題があります
このような問題は、そのままの状態で解き進めて答えを導くのは至難の業のため、\(sin\)だけ、もしくは\(cos\)だけの式に変形してから解き進めます
\(sin\)だけ、もしくは\(cos\)だけの式に変形する方法はいくつかありますが、その中の一つ、三角関数の合成の方法をは覚えられていますか?
今回は「三角関数の合成」の方法を詳しく説明していきます
「三角関数の合成」を使った問題の解説はこちらを確認してください
三角関数の合成とは
冒頭でも書きましたが、三角関数の合成とは、ひとつの式の中に\(sin\)と\(cos\)が混在しているときに、\(sin\)だけの式に変形する方法です
問題形式で言うと、\(asinθ+bcosθ\)等の形で出題されている式を\(rsin(θ+α)\)の形に式を変形する方法ということになります
三角関数の合成
\(asinθ+bcosθ=\sqrt{a^2+b^2}sin(θ+α)\)
ただし\(sinα=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\)
\(cosα=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\)
この式変形を使って、\(sin\)だけの式にすれば、\(sin\)と\(cos\)が混在する方程式や不等式、最大値・最小値を求める問題も簡単に解くことができるようになります
ただし、三角関数の合成は\(sin\color{red}{θ}\)と\(cos\color{red}{θ}\)や\(sin\color{red}{5θ}\)と\(cos\color{red}{5θ}\)など角の大きさが等しい\(sin\)と\(cos\)でないと使えません
角の大きさがが違う\(sin\)と\(cos\)が出題された場合は、三角関数の合成以外の方法を使って\(sin\)もしくは\(cos\)に統一してください
三角関数の合成を行う問題の例
以下の関数の最大値・最小値を求めるときは三角関数の合成を使いましょう
問題例
\(0≦θ<π\)の範囲で\(y=sinθ+\sqrt{3}cosθ-1\)の最大値と最小値を求めよ
上記の問題は\(asinθ+bcosθ\)の形になっているので三角関数の合成を行い
\(y=2sin(θ+\frac{π}{3})-1\)と変形してから解き進めていきます
三角関数の合成を使わない問題例
以下の関数の最大値・最小値を求めるときは三角関数の合成を使わず、違う方法で式を変形します
問題例
\(0≦x≦2π\)の範囲で\(y=cos2x-2sinx-1\) の最大値と最小値を求めよ
上記の問題は\(cos2θ\)になっているので、三角関数の合成を使わずに2倍角の公式を使って式を変形し、解き進めていきます
三角関数の合成は\(cos\)に変形する方法もある
実は三角関数の合成は\(cos\)だけの式に変形することもできます
現在の共通テストが「センター試験」と呼ばれていた頃に\(cos\)の合成が出題されたこともあります
ただ、滅多に出題されないため、まずは\(sin\)の式に変形する方法を覚えてください
そして、三角関数の合成以外の様々な単元をしっかりマスターしたあと、念には念を入れる状態になってから\(cos\)の三角関数の合成を学習するのが良いでしょう