1. ホーム
  2. 全ての解説
  3. 各項が等差数列の和になっている数列の一般項\(a_n\)と和\(S_n\)の\(Σ\)の式の作り方

数列の一般項や和\(Σ\)の式が作れない、解説見てもよくわからない、仮に解説が理解できたとしても「そんなの思いつかない」「閃かない」というような内容で困る…

でも高校数学の問題は「思いつき」や「閃き」で解くものではなく、公式や仕組みを理解し、そして「解法のパターンを暗記」すれば簡単に解けます

今回は各項が等差数列の和になっている数列の一般項と和\(Σ\)の式の作り方のパターンの紹介です

\(Σ\)の式を因数分解するコツはこちら

色々な数列の和の求め方はこちら

各項が足し算で増えている数列の一般項\(a_n\)は等差数列の和を使おう

\(1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,\)…のように各項が足し算で増えているような問題はとても複雑に見えますが、実はとても単純です

\(1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,\)…を例題として考えてみましょう

第4項を見てみると、\(1+2+3+4\)となっていますね

この項だけに注目すると、初項\(1\)、公差\(1\)、項数\(4\)の等差数列の和になっています

これを頭の片隅に置きながら数列全体を見ると、各項全てが初項\(1\)、公差\(1\)の等差数列の和になっていることがわかります

よってこの数列の一般項\(a_n\)は「等差数列の和の公式」になります

等差数列の和の公式が一般項なんて変じゃないかと思うかもしれませんが、全く変ではありません

そして一般項がわかれば、数列の和もすぐに求められます

シグマの公式\(\sum_{k=1}^{n}a_k\)で「\(a_k\)=一般項\(a_n\)(等差数列の和の公式)」とし、計算を進めていけば数列の和となります

成績アップのコツ、解法パターンを理由付きで覚えよう

数列\[1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,1+2+3+4+…+n\]の一般項\(a_n\)を求めよう

既に述べた通り、この数列は各項全てが初項\(1\)、公差\(1\)の等差数列の和になっているので、一般項\(a_n\)は、「\(a_n\)=等差数列の和の公式」とすると求めることができます

等差数列の和の公式は2つありますが、どちらで解いても答えは同じになるため、自分が好きな公式を使ってください

等差数列の和の公式\(S_n=\frac{1}{2}n(a+l)\)を使って一般項を求める

数列\[1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,1+2+3+4+…+n\]の一般項\(a_n\)を求めよう

上記の例題を、等差数列の2つある和の公式のうち、\(S_n=\frac{1}{2}n(a+l)\)を使って解いてみます

この公式の\(n\)は項数、\(a\)は初項、\(l\)は末項を表しています

よって問題より、項数は初項から第\(n\)項までなので\(n\)=\(n\)、初項は\(1\)なので\(a\)=\(1\)、末項は第\(n\)項、そして第\(n\)項の値は\(n\)なので\(l\)=\(n\)、となります

これらを公式に当てはめるだけで答えが求められます

ゆえに一般項\(a_n\)は\(a_n=\frac{1}{2}n(1+n)\)

等差数列の和の公式\[S_n=\frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\}\]を使って解く

数列\[1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,1+2+3+4+…+n\]の一般項\(a_n\)を、今度は\(S_n=\frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\}\)を使って求めてみましょう

この公式の\(n\)は項数、\(a\)は初項、\(d\)は公差を表しています

よって問題より、項数は初項から第\(n\)項までなので\(n\)=\(n\)、初項は\(1\)なので\(a\)=\(1\)、そして公差は\(1\)なので\(d\)=\(1\)、となります

これらを公式に当てはめると\(S_n=\frac{1}{2}n\{2×1+(n-1)×1\}\)、さらに式を整理して\(S_n=\frac{1}{2}n(1+n)\)

ゆえに一般項\(a_n\)は\(a_n=\frac{1}{2}n(1+n)\)

成績アップのコツ、途中式を丁寧に書こう

数列\[1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,1+2+3+4+…+n\]の和\(S_n\)を求めよう

数列の和は一般項がわかればすぐに求められます

シグマの公式\(\sum_{k=1}^{n}a_k\)で「\(a_k\)=一般項(等差数列の和の公式)」とし、計算を進めていけば数列の和となります

したがって、この数列の和\(S_n\)は\(S_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{2}k(1+k)\)を計算するだけで求めることができます

では計算して答えを求めていきましょう\[\begin{eqnarray} S_n=&\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{2}k(1+k)\\=&\frac{1}{2}\sum_{k=1}^{n}(k^2+k)\\=&\frac{1}{2}\sum_{k=1}^{n}k^2+\sum_{k=1}^{n}k\\=&\frac{1}{2}\{\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)+\frac{1}{2}n(n+1)\}\\=&\frac{1}{12}n(n+1)\{(2n+1)+3\}\\=&\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)\end{eqnarray}\]

よって\[S_n=\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)\]

※\(Σ\)の式を因数分解するコツはこちら

各項が奇数の和になっている数列の一般項\(a_n\)や和\(S_n\)も同様にして解こう

類題として各項が奇数の和になっている数列の一般項\(a_n\)や和が出題されることもありますが、同様にして解けば簡単に答えが求められます

あとは迷わず解けるようになるまで何度も練習を重ねましょう

成績アップのコツ、問題集は3周繰り返して解こう