2種類の文字を含む式の因数分解の解き方について解説します
2種類の文字を含む式の因数分解は、慣れれば難しいものではないので、ただひたすら練習するだけです
でも、慣れないうちは疑問がたくさん出てくるでしょう
そんな疑問をひとつひとつ丁寧に解説していきます
目次
2種類以上の文字を含む式を因数分解する時は、最も次数の低い文字に着目し、共通因数を作り出そう
2種類以上の文字を含む式の因数分解の解き方のポイントは「最も次数の低い文字に着目して共通因数を作り出す」です
最も次数の低い文字に着目して同類項を少しずつまとめていくだけで、他に何も特別なことはしません
もし、文字に着目して同類項をまとめることができない場合は、数Ⅰの教科書の最初のページから復習してください
基本をしっかり身につけると因数分解も自然と解けるようになります
では、最も次数の低い文字に着目して解いていく方法を以下の例題を使って説明していきます
まずは最も次数の低い文字に着目して式を整理しよう
次数の最も低い文字に着目して因数分解する方法を次の例題を使って説明していきます
例題
\(a^2b+a^2-b-1\)
「最も次数の低い文字に着目」する、そのためには文字の次数を確認する作業から始める必要があります
この問題には、\(a\)と\(b\)の2つの文字があり、それぞれの文字に着目すると、\(a\)に着目した場合は2次式、\(b\)に着目した場合は1次式となります
よって次数の低い方の\(b\)に着目して式を整理しましょう
ちなみに、\(b\)に着目すると\(b\)だけが文字となり、\(a\)は係数となります
そのため、同類項は\(a^2b\)と\(-b\)、\(a^2\)と\(-1\)になります
整理すると以下の式になります
\((a^2-1)b+(a^2-1)\)
式が整理できたら共通因数で因数分解しよう
最も次数の低い文字に着目して式をまとめると自然と共通因数が出てきます
あとは共通因数で因数分解すると答えが完成します
例題
\(a^2b+a^2-b-1\)
\(b\)に着目して整理すると\((a^2-1)b+(a^2-1)\)
\(a^2-1=A\)とすると、\(Ab+A\)
\(A\)は共通因数なので\(A(b+1)\)
\(A\)を\(a^2-1\)に戻して
\((a^2-1)(b+1)\)
これで因数分解はほぼ完成ですが、このまま答えとして記入すると間違いになります
最後に小さなひっかけがある問題も多いので、細かいところまで確認してから答えを書きましょう
では解答欄に記入する答えは次で説明していきます
因数分解が終わっても油断しない!細かいところまで確認してから答えを書きましょう
「最も次数の低い文字に着目して共通因数を作り出し、因数分解をした」ので完成と言いたいところですが、このまま答えとして解答欄に書くと間違いになります
最後まで気を抜かず、細かいところまで確認してみましょう
例題\(a^2b+a^2-b-1\)
\(b\)に着目して整理すると\((a^2-1)b+(a^2-1)\)\(a^2-1=A\)とすると、\(Ab+A\)\(A\)は共通因数なので\(A(b+1)\)\(A\)を\(a^2-1\)に戻して\((a^2-1)(b+1)\)
上記の最後、\((a^2-1)(b+1)\)をよく見てください
\((a^2-1)\)はまだ因数分解ができます
実は中学生で学習した公式を使って\((a^2-1)\)を因数分解をしなければ正解にはなりません
まだ因数分解できるところは因数分解してから答えを書く
最後は\((a^2-1)(b+1)\)で\((a^2-1)\)の部分を因数分解したら答えの完成です
\((a^2-1)(b+1)\)→\((a+1)(a-1)(b+1)\)
よって答えは\((a+1)(a-1)(b+1)\)