2種類の文字を含む因数分解は「次数の低い文字に着目して式を整理し共通因数を作り出す」方法で解けます
しかし、2種類の文字を含む因数分解の練習問題を解き進めていくと、ひとつの問題の中に同じ次数の文字が複数存在する問題に出会うでしょう
そして、「どちらも同じ次数の場合はどうしたらいいのかしら?」という疑問が出てきます
そこで、2種類の文字を含む因数分解で同じ次数の文字が複数存在する問題の解き方を説明します
目次
2種類の文字を含む因数分解で同じ次数の文字が複数存在する問題とは
\(a^2b+a^2-b-1\)のような問題は、\(a\)に着目すると2次式、\(b\)に着目すると1次式となるので、\(b\)に着目すればよいとすぐに判断できます
しかし、\(xy+xz+y^2+yz\)のような問題は、\(x\)に着目すると1次式、\(y\)に着目すると2次式、\(z\)に着目すると1次式となり、1つの式の中に1番次数が低い文字(1次式)が2つ存在することになります
このような問題は\(x\)か\(z\)かどちらに着目すればいいのでしょうか
1つの式の中に1番次数が低い文字(1次式)が複数存在する場合、着目する文字は最も次数が低ければどれでも良い
\(xy+xz+y^2+yz\)のように、1つの式の中に1番次数が低い文字(1次式)が2つ存在する場合、どれに着目したらいいのかわからなくなり、問題集の解説を読んだ人もいるでしょう
また、解いたあとに解説を読むと、自分が決めた文字ではないものを使っていた、そしてなぜその文字でなければならないのかが書いてないので、自分の解き方でもかまわないのか、それともたまたま答えが合っただけなのか判断しかねている人もいるでしょう
結論から言うと、1番次数が低い文字であれば、どれを使っても問題ありません
\(xy+xz+y^2+yz\)ならば、\(x\)でも\(z\)でも自分が好きな方を使って解いてかまいません
どちらでも良いならば教科書や問題集の解説にそう書いてくれれば…と思いますよね
最も次数が低い文字であればどの文字を選んでも必ず答えは同じになる
最も次数が低い文字であればどの文字を選んでも必ず答えは同じになります
「たまたま答えが合っただけ」ではなく、どの問題も必ず答えが同じになります
どれを選ぶかは自由ですが、選ぶ文字によって計算が面倒になったり、めちゃくちゃ楽になったりします
計算が面倒とか楽とかの判断は経験を重ねることによって身につく技です
様々な問題を何度も解くだけでなく、正解していても解説を読むようにしましょう
解説には最も計算が楽になる方法や、考え方が1番楽な方法が記載されています
自分の解き方に拘らず、正解していても解説をよく読み、楽して簡単に解く方法を身につけていきましょう
\(xy+xz+y^2+yz\)の答えは?
最後に\(xy+xz+y^2+yz\)の答えを、\(x\)に着目したときと、\(z\)に着目たときの2パターン説明します
\(xy+xz+y^2+yz\)を\(x\)に着目して答を求める
\(xy+xz+y^2+yz\)を\(x\)に着目して解いてみます
\(x\)に着目したときの同類項は、\(xy\)と\(xz\)、\(y^2\)と\(yz\)です
\(xy+xz+y^2+yz\)
\(x\)に着目して同類項をまとめると\((y+z)x+(y^2+yz)\)
定数項の(y^2+yz)を共通因数\(y\)で因数分解すると\((y+z)x+(y+z)y\)
\((y+z)=A\)とすると\(Ax+Ay\)
共通因数\(A\)で因数分解して\(A(x+y)\)
\(A\)を\((y+z\))に戻して\((y+z)(x+y)\)
よって答えは\((y+z)(x+y)\)
\(xy+xz+y^2+yz\)を\(z\)に着目して答を求める
\(xy+xz+y^2+yz\)を\(z\)に着目して解いてみます
\(z\)に着目したときの同類項は、\(xz\)と\(yz\)、\(xy\)と\(y^2\)です
\(xy+xz+y^2+yz\)
\(z\)に着目して同類項をまとめると\((x+y)z+(xy+y^2)\)
定数項の(xy+y^2)を共通因数\(y\)で因数分解すると\((x+y)z+(x+y)y\)
\((x+y)=A\)とすると\(Az+Ay\)
共通因数\(A\)で因数分解して\(A(z+y)\)
\(A\)を\((x+y)\)に戻して\((x+y)(z+y)\)
よって答えは\((x+y)(z+y)\)