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  3. 接線の方程式はどうやって求めたらいいの?\(y=x^3−4x\)と\((1,−3)\)における接線で囲まれた図形の面積を求めよ
積分

問題の関数と接線をグラフにすると下の図のようになる

積分するだけで簡単に面積は求められるが、上図の黒い点、つまり接点の座標\((1,−3)\)だけわかっていても、上図の赤い点、\(y=x^3−4x\)と接線の方程式の交点の座標がわからなければ解くことができない
※交点の座標は\(x\)座標がわかればOK

よって、まずは接線の方程式を求めて\(y=x^3−4x\)との交点の座標を求めるところから始めよう

問題を解く手順
①微分係数から接線の方程式を求める
②\(y=x^3−4x\)と接線の交点の座標(\(x\)座標のみ)を求める
③積分して面積を求める

\(y=x^3−4x\)と\((1,−3)\)における接線の方程式を求めよう

接線の方程式の公式はこちら

接線の方程式を求めるためにはまず\(y=x^3−4x\)を微分した式に接点の\(x\)座標を代入して計算する→この値が接線の方程式の傾きになる

\(y=x^3−4x\)を微分すると\(y’=3x^2−4\)

微分した式に接点の\(x\)座標、\(x=1\)を代入すると
\(y’=3×1^2−4=−1\)

したがって接線の方程式の傾きは\(−1\)

これを接線の方程式を求める公式に当てはめると、
\(y−(−3)=−1×(x−1)\)

よって接線の方程式は\(y=−x−2\)

接線の方程式がわかったので\(y=x^3−4x\)と接線の交点の座標を求めよう

交点の座標は、2つの式を連立方程式にして計算すると求められる

\(y=x^3−4x\)と\(y=−x−2\)を連立方程式の代入法で計算すると
\(x^3−4x=−x−2\)
\(x^3−3x+2=0\)
これを因数分解すると\(x\)座標の値がわかる

3次方程式なので\(x\)の値は3つあり、そのうちのひとつは\(x=1\)とわかっているので、次のように因数分解できる

\((x−1)(x^2+x−2)=0\)
\((x−1)(x−1)(x+2)\)
よって\(x=1※重解,−2\)

※接点も交点となるので、交点\((1,−3)\)の\(x\)座標\(x=1\)はこの連立方程式の解のひとつである
※\((x^2+x−2)\)の因数分解は高次方程式のわり算または解の公式で求められる

したがって、もう一つの交点の\(x\)座標は\(−2\)

成績アップのコツ、ノートには問題文も書こう

あとは積分するだけ

\(y=x^3−4x\)と\(y=−x−2\)、交点の\(x\)座標\(x=1\)と\(x=−2\)より

\(S=\displaystyle\int_{−2}^{1}\{(x^3−4x)−(−x−2)\}dx\)
\(S=\displaystyle\int_{−2}^{1}(x^3−3x+2)dx\)
\(S=\left[\frac{x^4}{4}−\frac{3x^2}{2}+2x\right]_{−2}^{1}\)
\(S=(\frac{1}{4}-\frac{3}{2}+2)\)
  \(\{−(\frac{1}{4}×16−\frac{3}{2}×4+2×(−2)\}\)
\(S=\frac{1}{4}−\frac{6}{4}+\frac{8}{4}−4+6+4=\frac{27}{4}\)

ゆえに面積は\(\frac{27}{4}\)