対数を含む関数の最大値と最小値を求める方法はいくつかあるが、今回は相加・相乗平均を使って解く方法を説明する
問題
2つの正の数の和の最大値や最小値を求めたいとき\[「x>0、y>0、xyの値が一定の数」\]ならば、相加・相乗平均を使って解くと覚えよう
この問題は、\(a=log_2x,b=log_8y\)、対数の真数は正の数なので、\(x>0,y>0\)とわかっている
したがって、\(xy\)が一定の数字かどうかがわかればよい
解き方の手順
①底を変換する
②\(a=log_2x\)と\(b=\frac{1}{3}log_2y\)を\(a+3b=6\)に代入して計算する
③\(xy\)は一定の数とわかったので相加・相乗平均を使って最小値を求める
目次
問題を解き始める前に底を揃えておこう
\(a\)の値と\(b\)の値は底が違っているので先に底を変換し揃えておく
今回は\(b\)の底を\(a\)の底の2に変換する
\begin{eqnarray}b&=&\frac{log_2y}{log_28}\\b&=&\frac{log_2y}{3}\\b&=&\frac{1}{3}log_2y\end{eqnarray}
\(a=log_2x\)と\(b=\frac{1}{3}log_2y\)を\(a+3b=6\)に代入する
\(a=log_2x\)と\(b=\frac{1}{3}log_2y\)を\(a+3b=6\)に代入して計算すると
\[log_2x+3×\frac{1}{3}log_2y=6\\log_2x+log_2y=6\]
対数の性質より\[log_2xy=6\]
実はこれで\(xy\)の値が一定だと断定できたので、この続きは相加・相乗平均を使って解くということになる
断定できる理由は以下を読もう
\(log_2xy=6\)より\(xy\)が定数とわかる
\(log_2xy=6\)を指数の形にすると\[log_2xy=6→2^6=xy\]よって\(xy=64\)したがって、\(xy\)は一定の数字である
\(x>0、y>0、xyの値が一定の数\)とわかったので相加・相乗平均を使って最小値を求めよう
\[相加・相乗平均\\\frac{x+y}{2}≧\sqrt{xy}\]
相加・相乗平均に\(xy=64\)を代入して最小値を求めていこう
\begin{eqnarray}\frac{x+y}{2}&≧&\sqrt{64}\\x+y&≧&2\sqrt{64}\\x+y&≧&2\sqrt{(2^3)^2}\\x+y&≧&2×2^3\\x+y&≧&16\end{eqnarray}
ゆえに、\(x+y\)の値は\(16\)以上とわかったので、最小値は\(16\)
答え
したがって、\(x+y\)の最小値は16
対数関数の最大値・最小値のその他の問題
対数関数の最大・最小で底\(a\)が1より小さい(\(0<a<1)\)ときの答えの求め方―\(y=\log_{\frac{1}{3}}x+\log_{\frac{1}{3}}(6-x)\)の最小値