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ひらめきで解こうとせずにパターンを暗記しよう
この問題は半角の公式と2倍角の公式、そして三角関数の合成を使って式を変形していきます
一度でスッキリ式変形ができる問題ではないので、初見で解くのはまず無理でしょう
このような問題は、類題をたくさん解き、パターンを覚えることで対応できるようになります
発想やひらめきではなく、パターン暗記と繰り返し練習が数学の勉強です
解き方の手順
①\(cos^2x\)を\(cos^2\frac{2x}{2}\)と考え、半角の公式を使って変形する
②\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形する
③変形後の式を合成する
④\(0≦x≦2π\)の範囲に当てはまる\(x\)の値を考える
\(cos^2x\)を\(cos^2\frac{2x}{2}\)と考え、半角の公式を使って変形する
たぶん、というか絶対にこの問題を解く中で気づくことが1番難しい部分が\(cos^2x\)を\(cos^2\frac{2x}{2}\)と考え、半角の公式で式を変形していくことでしょう
こんな発想は無理、だから数学がキライとなる典型的な内容ですが、このような発想は思いつくのではなく、様々な問題をたくさん解く中で、方法のひとつとして身につける、そして身につくまで練習を繰り返すというのが数学の正しい勉強の仕方です
\(cos^2x\)を\(cos^2\frac{2x}{2}\)として半角の公式に当てはめると
\(cos^2\frac{2x}{2}=\frac{1−cos2x}{2}\)
分数になった、余計に難しい、と思わないでください
詳細は後述しますが、すぐに約分して分数ではない形になります
\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形する
\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形すると
\(2sinxcosx=sin2x\)
\(2sinxcosx\)を2倍角の公式を使って変形することに気が付かない人は練習不足ですので、公式をきちんと暗記し、類題をたくさん解いてください
このように、半角の公式と2倍角の公式を使って式変形をすると、元の式
\(2\sqrt{3}cos^2x−2sinxcosx=\sqrt{3}\)は
\(2\sqrt{3}×\frac{1−cos2x}{2}−sin2x=\sqrt{3}\)となります
これを整理すると
\(\sqrt{3}(1−cos2x)−sin2x=\sqrt{3}\)
\(\sqrt{3}−\sqrt{3}cos2x−sin2x=\sqrt{3}\)
\(−sin2x−\sqrt{3}cos2x=\sqrt{3}−\sqrt{3}\)
\(sin2x+\sqrt{3}cos2x=0\)
1つの式の中に\(sin\)と\(cos\)が混在しているため、三角関数の合成を行い、\(sin\)だけの式にする
半角の公式と2倍角の公式を使って式変形をした結果\(sin2x+\sqrt{3}cos2x=0\)となり、基本的な三角関数の方程式となりました
ただし、まだひとつの式の中に\(sin\)と\(cos\)が混在しているので、三角関数の合成を行い、\(sin\)だけの式に変形します
\(sin2x+\sqrt{3}cos2x=0\)を合成すると
\(\sqrt{1^2+(\sqrt{3})^2}sin(2×x+2×\frac{π}{3})=0\)
ゆえに\(2sin(2x+\frac{2π}{3})=0\)
ただし、\(sinα=\frac{\sqrt{3}}{2}\)、\(cosα=\frac{1}{2}\)
※\(θ=x\)
※\(a=1\)、\(b=\sqrt{3}\)
※\(sinα=\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{1^2+\sqrt{3}^2}}\)より\(sinα=\frac{\sqrt{3}}{2}\)
※\(cosα=\frac{1}{\sqrt{1^2+\sqrt{3}^2}}\)より\(cosα=\frac{1}{2}\)
※\(sin\frac{\sqrt{3}}{2}\),\(cos\frac{1}{2}\)より\(α=\frac{π}{3}\)
※基本は\(θ=x\)だが今回の問題は\(θ=2x\)なので\(θ\)も\(α\)も2倍する
合成ができたので\(x\)の値を考えていく
\(x\)は、\(2sin(2x+\frac{2π}{3})=0\)より\(2sin(2x+\frac{2π}{3})\)が\(0\)になる値、つまり、\(sin\)の値が\(0\)になるものが答えとなる
また、\(0≦x≦2π\)の中から\(x\)の値を考えていくが、このままではわからないので、わかりやすく調整していく
問題文の式\(2\sqrt{3}cos^2x−2sinxcosx=\sqrt{3}\)を合成した結果、\(x\)ではなく\(2x+\frac{2π}{3}\)となったので、\(0≦x≦2π\)を2倍して\(\frac{2π}{3}\)を加えるとわかりやすくなる
\(0×2+\frac{2π}{3}≦x×2+\frac{2π}{3}≦2π×\frac{2π}{3}\)
\(\frac{2π}{3}≦2x+\frac{2π}{3}≦\frac{14π}{3}\)
\(\frac{2π}{3}≦2x+\frac{2π}{3}≦\frac{14π}{3}\)のなかで、\(sin\)の値が\(0\)になるのは\(π\)、\(2π\)、\(3π\)、\(4π\)のみ
※\(5π\)は分母を\(3\)にすると\(\frac{15π}{3}\)となり、\(\frac{14π}{3}\)を超えてしまうので不適格
まだ解答欄に書ける答えじゃない
答えは求められたが、これらの値は\(2sin(2x+\frac{2π}{3})\)が\(0\)になる値なので、\(x\)の値になるようにしなければならない
\(sin\)の値が\(π\)になるとき
\(2x+\frac{2π}{3}=π\)
\( 2x=π−\frac{2}{3}\)
\(2x=\frac{π}{3}\)
\(x=\frac{π}{3}×\frac{1}{2}\)
\(x=\frac{π}{6}\)
\(sin\)の値が\(2π\)になるとき
\(2x+\frac{2π}{3}=2π\)
\(x=\frac{2π}{3}\)
(sin)の値が\(3π\)になるとき
\(2x+\frac{2π}{3}=3π\)
\(x=\frac{7π}{6}\)
(sin)の値が\(4π\)になるとき
\(2x+\frac{2π}{3}=4π\)
\(x=\frac{5π}{3}\)
よって
\(x=\frac{π}{6}\)、\(x=\frac{2π}{3}\)、\(x=\frac{7π}{6}\)、\(x=\frac{5π}{3}\)