解き方の手順
①式を展開する
②三角関数の合成を行い、さらに式を整理する
③当てはまる\(x\)の範囲を考える
目次
まずは式を展開する
\(\sqrt{2}(sinx+cosx)>1\)のまま\(x\)の範囲を考えることはほぼ不可能
まずはひとつずつ丁寧に、式を展開するところから始めよう
\begin{eqnarray}\sqrt{2}(sinx+cosx)&>&1\\\sqrt{2}sinx+\sqrt{2}cosx&>&1\end{eqnarray}
展開したら次は三角関数の合成をしよう
次は三角関数の合成をしよう
問題の式には\(sin\)と\(cos\)が混在しているので、三角関数の合成をして\(sin\)だけの式に変換し、\(x\)の範囲を考えやすくしよう
合成すると\begin{eqnarray}\sqrt{2}sinx+\sqrt{2}cosx&>&1\\\sqrt{(\sqrt{2})^2+(\sqrt{2})^2}sin(x+\frac{π}{4})&>&1\\2sin(x+\frac{π}{4})&>&1\end{eqnarray}
合成したら両辺に\(\frac{1}{2}\)を掛けて式を簡単にしよう
三角関数に限らず、方程式や不等式は式を最も簡単な形にしておくことを心がけましょう。
では両辺に\(\frac{1}{2}\)を掛けていきましょう
\begin{eqnarray}2sin(x+\frac{π}{4})&>&1\\sin(x+\frac{π}{4})&>&\frac{1}{2}\end{eqnarray}
ここまで簡単に整理したことで、\(sin\)の値が\(\frac{1}{2}\)より大きい範囲を考えればよいということが判明しましたね
\(x\)の範囲をもう一度確認しておこう
問題文に書かれている\(x\)の範囲は\(0≦x<2\)ですが、式を整理したところ\(sinx\)ではなく\(sin(x+\frac{π}{4})\)となったため、もとの範囲に\(\frac{π}{4}\)を足し算すると答えが求めやすくなる
よって求める範囲は\begin{eqnarray}0+\frac{π}{4}&≦&x+\frac{π}{4}<2+\frac{π}{4}\\\frac{π}{4}&≦&x+\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π\end{eqnarray}
範囲のなかから答えを考えよう
この問題の答えは\(\frac{π}{4}≦x+\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π\)の間にある\(sin(x+\frac{π}{4})>\frac{1}{2}\)となる部分となる
よって当てはまる値は
\(\frac{π}{4}≦x+\frac{π}{4}<\frac{5}{6}π\)
\(\frac{13}{6}π<x+\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π\)
まだ解答欄に答えを書かないで
たしかに答えは求められましたが、これは答えを見つけやすいように\(sinx\)を\(sinx+\frac{π}{4}\)として考えたものです
そのため、最後に\(sinx+\frac{π}{4}\)を\(sinx\)に戻す必要があります
\(sinx+\frac{π}{4}\)を\(sinx\)に戻そう
まず\(\frac{π}{4}≦x+\frac{π}{4}<\frac{5}{6}π\)
\begin{eqnarray}\frac{π}{4}&≦&x+\frac{π}{4}<\frac{5}{6}π\\\frac{π}{4}-\frac{π}{4}&≦&x+\frac{π}{4}-\frac{π}{4}<\frac{5}{6}π-\frac{π}{4}\\0&≦&x<\frac{7}{12}\end{eqnarray}
つぎに\(\frac{13}{6}π<x+\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π\)
\begin{eqnarray}\frac{13}{6}π&<&x+\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π\\\frac{13}{6}π-\frac{π}{4}&<&x+\frac{π}{4}-\frac{π}{4}<\frac{9}{4}π-\frac{π}{4}\\\frac{23}{12}π&<&x<2π\end{eqnarray}
答え
\(sinx+\frac{π}{4}\)を\(sinx\)に戻した値がわかったのであとは答えを書くだけです
答え
\(0≦x<\frac{7}{12}\)
\(\frac{23}{12}π<x<2π\)