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  3. 三角関数の合成を使いかたを覚えよう0≦x<2πのときy=sinx+\sqrt{3}cosxの最大値と最小値を求めよ
三角関数

問題を解く手順
①三角関数の合成をする
②範囲を確認する
③最大値と最小値を見つける

まず最初に三角関数の合成をする

1つの式の中にsincosがあるので三角関数の合成を行い、sinだけの式にすると続きを考えやすくなるよ

「三角関数の合成」の方法

この合成の式に当てはめて計算すると…

\begin{eqnarray}y&=&\sqrt{1^2+(\sqrt{3})^2}sin(x+\frac{π}{3})\\y&=&2sin(x+\frac{π}{3})\end{eqnarray}

よって、合成後の式はy=2sin(x+\frac{π}{3})となる

最大値と最小値を考える前に範囲を確認しよう

この問題はxの範囲が0≦x<2πとなっているけれど、合成後の式を見てみるとx+\frac{π}{3}となっているので、そのまま考えるより、あらかじめxから\frac{π}{3}だけずらしてから考えるほうが解きやすくなる

xの範囲を\frac{π}{3}だけずらそう

xの範囲0≦x<2π\frac{π}{3}を加えよう

\begin{eqnarray}0+\frac{π}{3}&≦&x+\frac{π}{3}<2π+\frac{π}{3}\\\frac{π}{3}&≦&x+\frac{π}{3}<\frac{7}{3}π\end{eqnarray}

あとは\frac{π}{3}≦x+\frac{π}{3}<\frac{7}{3}πの範囲でyの最大値と最小値を探すだけ

成績アップのコツ、1問ずつ答え合わせをしよう

\frac{π}{3}≦x+\frac{π}{3}<\frac{7}{3}πの範囲でy=2sin(x+\frac{π}{3})の最大値と最小値を探そう

まずは最大値

\frac{π}{3}≦x+\frac{π}{3}<\frac{7}{3}πの範囲でyの値が最大になるのは\frac{π}{2}のときで、その値は1

つぎに最小値

\frac{π}{3}≦x+\frac{π}{3}<\frac{7}{3}πの範囲でyの値が最大になるのは\frac{3}{2}πのときで、その値は-1

さらに、y=2sin(x+\frac{π}{3})sinが2倍されているので、求めた値を2倍しなければならない

最大値と最小値を2倍すると
x+\frac{π}{3}=\frac{π}{2}のとき最大値2
x+\frac{π}{3}=\frac{3}{2}πのとき最小値-2



まだ答えじゃない
\frac{π}{3}加えた分を元に戻そう

上記の値はxの範囲0≦x<2π\frac{π}{3}を加えて求めたものなので、答えを書くときは元の範囲に戻す必要がある

よって求める最大値と最小値は以下のようになる

最大値
\begin{eqnarray}x+\frac{π}{3}&=&\frac{π}{2}\\x&=&\frac{π}{2}-\frac{π}{3}\\x&=&\frac{π}{6}\end{eqnarray}

ゆえにx=\frac{π}{6}のとき最大値2

最小値
\begin{eqnarray}x+\frac{π}{3}&=&\frac{3}{2}π\\x&=&\frac{3}{2}π-\frac{π}{3}\\x&=&\frac{7}{6}π\end{eqnarray}

ゆえにx=\frac{7}{6}πのとき最小値-2

答え

ここまで計算してようやく答えを書くことができる

答え
x=\frac{π}{6}のとき最大値2
x=\frac{7}{6}πのとき最小値-2