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  3. 関数\(y=-x\),\(y=x\),\(y=\sqrt{1+x^2}\)のグラフをそれぞれ\(l\),\(m\),\(C\)とする。また、\(C\)上の点(\(a\),\(\sqrt{1+a^2})\)における接線を\(n\)とする。\(n\)と\(l\)との交点を\(P\)とし、\(P\)の\(x\)座標を\(s\)とする。また、\(n\)と\(m\)の交点を\(Q\)とし、\(Q\)の\(x\)座標を\(t\)とする。\(s\)および\(t\)を\(a\)を用いた式で表せ

\(n\)と\(l\)との交点\(P\)、\(n\)と\(m\)の交点を\(Q\)→交点の座標を考えたいが、\(n\)は式がはっきりとわかっていないので、問題を解き始める前に計算をしておく必要がある。

解き方の手順
①まず\(n\)の式を求める
②点Pの\(x\)座標を\(n\)と\(l\)に代入して\(y\)座標を求める
③ふたつの\(y\)座標をイコールで繋いで方程式を作る
④作った方程式を解く
⑤Qも同様にして解く

\(n\)は\(C\)上の点(\(a\),\(\sqrt{1+a^2}\))における接線なので、接線を求める公式\(y-f(a)=f'(a)\cdot(x-a)\)を使えば\(n\)は求められる。よって、\(C\)の式と\(C\)を微分した式を求め、公式に当てはめて\(n\)を求めよう。

\(C\)の式\(f(x)=(1+x^2)^{\frac{1}{2}}\)を微分すると
\(f'(x)=\frac{1}{2}(1+x^2)^{\frac{1}{2}-1}\cdot(1+x^2)’\)
\(f'(x)=\frac{1}{2}(1+x^2)^{-\frac{1}{2}}\cdot2x\)
\(f'(x)=x(1+x^2)^{-{\frac{1}{2}}}\)
\(f'(x)=x(\sqrt{1+x^2})^{-1}\)
\( f'(x)=x\cdot\frac{1}{\sqrt{1+x^2}} \)
\(f'(x)=\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\)

\(C\)を微分した式が求められたら、あとは接線を求める公式に当てはめると\(n\)の式が完成

接点(\(a\),\(\sqrt{1+a^2}\))と\(f'(x)=\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\)を接線を求める公式に当てはめて\(n\)を求めていくと
\(y-\sqrt{1+a^2}=\frac{a}{\sqrt{1+a^2}}(x-a)\)
\(y=\frac{a}{\sqrt{1+x^2}}(x-a)+\sqrt{1+a^2}\)
\(y=\frac{a(x-a)}{\sqrt{1+a^2}}+\frac{\sqrt{1+a^2}\cdot\sqrt{1+a^2}}{\sqrt{1+a^2}}\)
\(y=\frac{a(x-a)+(1-a^2)}{1+a^2}\)
\(y=\frac{ax-a^2+1+a^2}{\sqrt{1+a^2}}\)
\(y=\frac{ax+1}{\sqrt{1+a^2}}\)
よって\(n\)は\(y=\frac{ax+1}{\sqrt{1+a^2}}\)

これで準備が整ったので問題を解いていくことができる

まずは\(s\)を\(a\)を用いた式で表す。(\(t\)からでも求められるよ)

\(n\)と\(l\)の交点はP、Pの\(x\)座標は\(s\)と指定されているので、Pの座標は(\(s\),■)と考えられる
■に当てはまる値は、Pの\(x\)座標の値\(s\)を\(l\)の式に代入した場合は\(-s\)、\(n\)の式に代入した場合は\(\frac{as+1}{\sqrt{1+a^2}}\)となる。
よってPの座標は(\(s\),\(-s\))または(\(s\),\(\frac{as+1}{\sqrt{1+a^2}}\))
これらの\(y\)座標は等しいので、\(-s=\frac{as+1}{\sqrt{1+a^2}}\)と式がたてられる。

これを計算すると、
\(-s=\frac{as+1}{\sqrt{1+a^2}}\)
\(-s(\sqrt{1+a^2})=as+1\)
\(as+s(\sqrt{1+a^2})=-1\)
\(a+\sqrt{1+a^2})s=-1\)


ここで両辺に\(a-\sqrt{1+a^2}\)を掛け算する。
※方程式なので、両辺に同じ値を掛け算して式を整理することができる。
※\(s=\frac{-1}{a+\sqrt{1+a^2}}\)として有理化するよりはるかに楽に計算できる


\((a-\sqrt{1+a^2})×(a+\sqrt{1+a^2})s=-1×(a-\sqrt{1+a^2})\)
\(\{a^2-(1+a^2)\}s=-(a-\sqrt{1+a^2})\)
\(-1×s=-(a-\sqrt{1+a^2})\)
\(s=a-\sqrt{1+a^2}\)

成績アップのコツ、電車の中などではノートを見るだけで復習になるよ

同様にして\(t\)も求めていこう

\(n\)と\(m\)の交点はQ、Qの\(x\)座標は\(t\)と指定されているので、Qの座標は(\(t\),▲)と考えられる
▲に当てはまる値は、Qの\(x\)座標の値\(t\)を\(m\)の式に代入した場合は\(t\)、\(n\)の式に代入した場合は\(\frac{at+1}{\sqrt{1+a^2}}\)となる。
よってQの座標は(\(t\),\(t\))または(\(t\),\(\frac{at+1}{\sqrt{1+a^2}}\))
これらの\(y\)座標は等しいので、\(t=\frac{at+1}{\sqrt{1+a^2}}\)と式がたてられる。

これを計算すると、
\(t=\frac{at+1}{\sqrt{1+a^2}}\)
\(t(\sqrt{1+a^2})=at+1\)
\(at-t(\sqrt{1+a^2})=-1\)
\((a-\sqrt{1+a^2})t=-1\)
ここで両辺に\(a+\sqrt{1+a^2}\)を掛け算する。
\((a-\sqrt{1+a^2})×(a+\sqrt{1+a^2})t=-1×(a+\sqrt{1+a^2})\)
\(\{a^2-(1+a^2)\}t=-(a+\sqrt{1+a^2})\)
\(-1×t=-(a+\sqrt{1+a^2})\)
\(t=a+\sqrt{1+a^2}\)

よって、\(s=a-\sqrt{1+a^2}\)、\(t=a+\sqrt{1+a^2}\)

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