最大値、最小値を求める方法の一つに「2次式で表して\(t\)とおく」がある
今回はこの方法を使って解く
また\(cosθ\)や\(tanθ\)が混在しているのでどちらか一つにまとめなければならない
関数\(f(θ)\)の式の最初の項が\(cosθ\)なので、素直に\(cosθ\)に統一するように考えよう
あとは倍角の公式や加法定理など、知ってる形に少しずつ近づけていけばOK
※\(cosθ\)と\(tanθ\)なので、三角関数の合成は使えないよ
目次
解き方の手順
解き方の手順
①\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)の部分をまとめて\(cosθ\)だけの式にする
②\(cos2θ\)を2倍角の公式を使って変形する
③\(cosθ=t\)として2次関数にする
④平方完成して最小値を求める
⑤\(t\)を\(cosθ\)に戻してθの値を求める
\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)を変形して\(cosθ\)だけの式にしよう
まず初めに\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)を通分して一つにまとめよう
\[\begin{align}\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\\&=\frac{cos^2θ−1}{tan^2θcosθ}\\
&=\frac{−(1−cos^2θ)}{tan^2θcosθ}&\end{align}\]
つぎに、三角比の相互関係を利用して\(1−cos^2θ\)の部分を変形しよう
\(sin^2θ+cos^2θ=1\)より
\(sin^2θ=1−cos^2θ\)なので、
\[\begin{align}\displaystyle\frac{−(1−cos^2θ)}{tan^2θcosθ}\\&=\frac{−(sin^2θ)}{tan^2θcosθ}\end{align}\]
\(\displaystyle tan^2θ=\frac{sin^2θ}{cos^2θ}\)より、
\[\begin{align}\displaystyle\frac{\frac{−sin^2θ}{1}}{\frac{sin^2θ・cosθ}{cos^2θ}}\\&=−\frac{\frac{sin^2θ}{1}}{\frac{sin^2θ}{cosθ}}
\\&=−\frac{sin^2θcosθ}{sin^2θ}\\&=−cosθ\end{align}\]
※この方法以外にも変形する方法かいくつかあります
ここまでで\(\displaystyle f(x)=\frac{1}{2}cos2θ−cosθ\)まで整理することができました
このあと、さらに変形して2次式になるようにします
次は2倍角の公式を使って\(cos2θ\)を変形しよう
2倍角の公式\(cos2θ=2cos^2θ−1\)より、
\[\begin{align}\displaystyle f(x)&=\frac{1}{2}cos2θ−cosθ\\f(x)&=\frac{1}{2}\left(2cos^2θ−1\right)−cosθ\\f(x)&=cos^2θ−\frac{1}{2}−cosθ\\f(x)&=cos^2θ−cosθ−\frac{1}{2}\end{align}\]
これで式が2次式になるまで整理できました
\(cosθ=t\)として2次関数にし、最小値を求める
\(cosθ=t\)とすると、\[\displaystyle y=t^2−t−\frac{1}{2}\]
これを平方完成すれば、最小値が求められる
\[\begin{align}\displaystyle y&=t^2−t−\frac{1}{2}\\y&=\left(t^2−t\right)−\frac{1}{2}\\y&=\left(t−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\end{align}\]
したがって\(\displaystyle t=\frac{1}{2}\)のとき最小値\(\displaystyle −\frac{3}{4}\)
\(t\)を\(cosθ\)に戻してθの値を求めよう
\(\displaystyle y=\left(t−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\)の\(t\)を\(cosθ\)に戻すと
\(\displaystyle y=\left(cosθ−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\)
ゆえに\(\displaystyle cosθ=\frac{1}{2}\)のとき最小値\(\displaystyle−\frac{3}{4}\)
\(\displaystyle 0<θ<\frac{π}{2}\)の範囲で\(\displaystyle cosθ=\frac{1}{2}\)となるのは\(θ=60°\)のとき
よって、最小値\(\displaystyle−\frac{3}{4}\)、\(θ=60°\)