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  3. 「2次式で表して\(t\)とおく方法」を使って関数の最大値と最小値を求めてみよう!関数\[f(θ)=\frac{1}{2}cos2θ+\frac{cosθ}{tan^2θ}\\−\frac{1}{tan^2θcosθ}\]\(\displaystyle\left(0<θ<\frac{π}{2}\right)\)の最小値とそのときの\(θ\)の値を求めよ

最大値、最小値を求める方法の一つに「2次式で表して\(t\)とおく」がある
今回はこの方法を使って解く

また\(cosθ\)や\(tanθ\)が混在しているのでどちらか一つにまとめなければならない

関数\(f(θ)\)の式の最初の項が\(cosθ\)なので、素直に\(cosθ\)に統一するように考えよう

あとは倍角の公式や加法定理など、知ってる形に少しずつ近づけていけばOK
※\(cosθ\)と\(tanθ\)なので、三角関数の合成は使えないよ

解き方の手順

解き方の手順
①\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)の部分をまとめて\(cosθ\)だけの式にする
②\(cos2θ\)を2倍角の公式を使って変形する
③\(cosθ=t\)として2次関数にする
④平方完成して最小値を求める
⑤\(t\)を\(cosθ\)に戻してθの値を求める

\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)を変形して\(cosθ\)だけの式にしよう

まず初めに\(\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\)を通分して一つにまとめよう

\[\begin{align}\displaystyle\frac{cosθ}{tan^2θ}−\frac{1}{tan^2θcosθ}\\&=\frac{cos^2θ−1}{tan^2θcosθ}\\
&=\frac{−(1−cos^2θ)}{tan^2θcosθ}&\end{align}\]

つぎに、三角比の相互関係を利用して\(1−cos^2θ\)の部分を変形しよう

\(sin^2θ+cos^2θ=1\)より
\(sin^2θ=1−cos^2θ\)なので、
\[\begin{align}\displaystyle\frac{−(1−cos^2θ)}{tan^2θcosθ}\\&=\frac{−(sin^2θ)}{tan^2θcosθ}\end{align}\]

\(\displaystyle tan^2θ=\frac{sin^2θ}{cos^2θ}\)より、
\[\begin{align}\displaystyle\frac{\frac{−sin^2θ}{1}}{\frac{sin^2θ・cosθ}{cos^2θ}}\\&=−\frac{\frac{sin^2θ}{1}}{\frac{sin^2θ}{cosθ}}
\\&=−\frac{sin^2θcosθ}{sin^2θ}\\&=−cosθ\end{align}\]

※この方法以外にも変形する方法かいくつかあります

ここまでで\(\displaystyle f(x)=\frac{1}{2}cos2θ−cosθ\)まで整理することができました

このあと、さらに変形して2次式になるようにします

成績アップのコツ、途テスト前は学校課題を3周解こう

次は2倍角の公式を使って\(cos2θ\)を変形しよう

2倍角の公式\(cos2θ=2cos^2θ−1\)より、
\[\begin{align}\displaystyle f(x)&=\frac{1}{2}cos2θ−cosθ\\f(x)&=\frac{1}{2}\left(2cos^2θ−1\right)−cosθ\\f(x)&=cos^2θ−\frac{1}{2}−cosθ\\f(x)&=cos^2θ−cosθ−\frac{1}{2}\end{align}\]

これで式が2次式になるまで整理できました

\(cosθ=t\)として2次関数にし、最小値を求める

\(cosθ=t\)とすると、\[\displaystyle y=t^2−t−\frac{1}{2}\]

これを平方完成すれば、最小値が求められる

\[\begin{align}\displaystyle y&=t^2−t−\frac{1}{2}\\y&=\left(t^2−t\right)−\frac{1}{2}\\y&=\left(t−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\end{align}\]

したがって\(\displaystyle t=\frac{1}{2}\)のとき最小値\(\displaystyle −\frac{3}{4}\)

\(t\)を\(cosθ\)に戻してθの値を求めよう

\(\displaystyle y=\left(t−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\)の\(t\)を\(cosθ\)に戻すと
\(\displaystyle y=\left(cosθ−\frac{1}{2}\right)^2−\frac{3}{4}\)

ゆえに\(\displaystyle cosθ=\frac{1}{2}\)のとき最小値\(\displaystyle−\frac{3}{4}\)

\(\displaystyle 0<θ<\frac{π}{2}\)の範囲で\(\displaystyle cosθ=\frac{1}{2}\)となるのは\(θ=60°\)のとき

よって、最小値\(\displaystyle−\frac{3}{4}\)、\(θ=60°\)

サイン、コサイン、タンジェントとラジアン、三角関数の値
成績アップのコツ、解き始める前に解説を読んでも良い、解説書は先生と同じと考えよう